積まれた本

ネット小説名作レビュー

カテゴリー: 抽象文学

(11件)

さかなたちの、いうことには by あおいはる

あらすじ

 ぼくと同じ美術部に入っている、となりのクラスの女の子はいつもひとりだ。赤と黒の絵の具を大量に使って「血でも吐いた」ような絵を描いている。
 2月、みどり色をした学校のプールに彼女が入るのを見て、ぼくも無意識にそのプールへ飛び込んでいた。みどり色だったはずの水は透明に澄み、壁らしきものも見えず、たくさんの魚が泳ぎ回っている。そこで彼女は、自分が実の父を愛していることを打ち明け、次にぼくの秘密をたずねた。

りんごぱんだ by 秋 ひのこ

あらすじ

 忙しい仕事のせいで睡眠不足に悩まされるOLのノエは、パンダが道に座り込んでりんごをかじっているのに出会う。意識がぼんやりしているのは間違いないが、パンダが見えるのはどういうわけか? 寝ても冷めても仕事のことしか考えられないような暮らしを続けていたところ、彼女はパンダから突然りんごをもらう。その次の日、ノエは辞表を提出し、学生の彼氏にも唐突な別れを告げた。

青に染まる by あおいはる

あらすじ

 まよなか、ぼくは青い夢を見る。青い絵の具を溶かした水の中にいて、となりにいる人はがぶがぶお酒をのみ、何かをさけび、うめいている。ぼくは、青い海の底で、青いワンピースをきた女の子と、青いソーダをのんで、ブルーハワイ味のかき氷を、たべている。青に染まる
(一部を作品より引用)

うまれる by あおいはる

あらすじ

 両親を失って叔母さんのアトリエで暮らすぼくは、写真とモササウルスが大好きだ。これまでぼくは4人のぼくを別にうみ出してきた。ギャンブルにはまったり、女の世話になりつつ小説を書いたり、鉄工所に勤めたり、自由なフリーター生活を送ったり、していることは様々だ。今、ぼくの一部を吸収して、新たなぼくがもう1人うまれようとしている。モササウルスや写真への熱は吸いとらないでほしい。ほんとはもう、うむのは嫌だった。

by euReka

あらすじ

 この街に立つ、直径1km、高さ10kmの巨大な塔は今にも倒れそうなぐらい傾き、地面へ向かって弓形になっているので「巨人の釣り竿」とも呼ばれる。塔が倒れた時に下敷になるエリアは住むのに好まれず、以前は貧民街になっていたが、戦後の経済成長によって街が豊かになると住人が減り、その後公園として整備された。塔を眺める観光地となった公園で、私はアイスクリームを売り、隣の屋台の女はビールを商っている。

友達から聞いた、生まれる前の話。 by おこげ依存症

あらすじ

 床も壁も天上も真っ白に塗り上げられた部屋に5人の人と5つのクローゼットがあり、彼らが同時に1つずつクローゼットを開けると4つは爆発してしまう。残った1人は自分を成功者だと思い込んで空のクローゼットへ入るが、そこは暗くて窮屈な所で、しかも外へ出ることができない。そこで悟る。いずれここからは出られるが元の部屋へは戻れない。出た先にあるのは少し広いだけの牢獄なのだ。

アイスキャンディを売り歩くペンギンの団体 by あおいはる

あらすじ

 高校卒業後、あたしの恋人はアイスキャンディを売り歩くペンギンの団体に入った。彼が言うには、ペンギンが雪に木の棒をすっと突き刺し、すすっと引き抜くと、アイスキャンディができているという。ペンギンのつくるアイスキャンディが気になって、あたしは日に日に眠れなくなり、恋人のことも思い出せなくなっていた。
(一部を作品より引用)

走れ by 梨

あらすじ

 俺は太陽に向かって今日も走る。昼も夜も、何年でも走り続ける。途中で、ロケットを作っているとか、太陽はやめて月に向かうことにしたとか言う奴らに会った。ばか野郎。そんなことをしている暇があったら今すぐ太陽に向かって走れ。

話す魚 by 富山 晴京

あらすじ

 僕の家の壁や床の中を魚が泳ぐようになった。はじめは恐かったけど、やがて無害であることが分かってなれてきた。ある日魚が口をきいた時はさすがに驚いたが、その後はやつらとも仲よくなり、ドストエフスキーのことなんかを含めて色々な話をした。