積まれた本

ネット小説名作レビュー

カテゴリー: 純文学

(23件)

牛男 by 根木 珠

あらすじ

 人から「牛」と呼ばれ、せむしで乞食という不幸な境遇に育った男は、ある時親切な紳士に拾われて彼の屋敷で暮らすようになる。牛は主人を敬愛し屋敷でかいがいしく働くが、やがて、屋敷を訪れた女性を自分の主人が次々に殺していることを知る。

バニーガールと透明 by 野足夏南

あらすじ

 文化祭のお化け屋敷で透明人間の役を割り当てられた地味な男子中学生、野宮慎一は、同級生の片桐日奈子が好きだが度胸がなくて行動を起こせずにいる。ある帰りしなにバニーガールの恰好をしたデリヘル嬢に出会った慎一は、お金を盗んで逃げる途中だった彼女に巻き込まれてそばの神社までやって来た。そこで彼は、近所の屋敷で得意客の葬式があるから香典を渡して来てほしいと、バニーガールに頼まれる。

私の頭も、脳みそごと by 安室凛

あらすじ

 アラサーになって行きつけの飲み屋ができた私は、そこで1人の男と知り合う。ある日、私が食べ終えたアジの開きを見て彼が言った。
その魚の頭、食べてもいい?
 この言葉の持つ強烈なインパクトと親しさにとらわれて、私は甘い気持ちで、そのことを繰り返し思い返すようになった。

ミツバチを抱いて眠る夜 by まな

あらすじ

 中学生のルリ子は時々大きなミツバチの夢を見る。彼女は巨大なミツバチに抱え込まれて腹を刺され、どろりとした血を流すのだ。ミツバチの夢を見た日には生理がある。
 ルリ子は、自分を刺すし羽音もうるさいミツバチが嫌いだ。彼女の周りに集まる自分勝手な人間たちもミツバチと変わらない。ルリ子は悪い子になって彼らを傷つけたい欲求を抱く。

私の白いディオニュソス by 吉岡 幸一

あらすじ

 来館者の少ない山の上の美術館で、私はボランティアの監視員をしている。はじめは物音もしない部屋にじっと坐っているのがつらかったが、そのうち展示室の静かな時間を愛するようになった。しかしある時、学生風の白い青年が現れて私の幸福をかき乱す。彼は何日も美術館に通って絵ではなく私のことをじろじろと見つめ、ついにはほおにふれようと手を伸ばして来た。

蝶が選ぶ鼻 by プロッター

あらすじ

 女子高生の裕子がうたた寝から目を覚ますと、何と自分の鼻の上でちょうちょがさなぎになっていた。鼻のさなぎのせいで裕子はみんなからちやほやされて新聞の取材まで受ける。同級生の幸子はそれがうらやましくて、自分の鼻にもさなぎをくっつけるため博物館の温室へ出かけた。

男子の仕事 by プロッター

あらすじ

 一流の国鉄機関手である父は私のほこりだった。私たち一家の暮らしも蒸気機関車とともにあった。でも、私たちの住む広島の鉄道にもとうとう電化の波が押し寄せ、父は大好きな蒸気機関車から電車への鞍替えを余儀なくされる……。と思ったら母が言った。
広島よりも西はまだ蒸気機関車のままなんじゃありません? ならば私たちがそこへ引っ越せばいいじゃありませんか。

(作品非公開)炊飯器 by Zosterops

あらすじ

 シェイクを飲もうとファーストフード店に立ち寄った少年は、炊飯器を持ったこわもての男に声をかけられ、注文をしに行く間炊飯器を見ていてくれと頼まれる。しばらくしてテーブルに戻った男はその炊飯器に財布をしまい、少年に礼を言った。見かけによらず感じのいい人だと思ったら、男はそばにいる客をつかまえて大声で難くせをつけ、次々に店から追い出し始める。やがて店に残った客は男と少年の2人だけになってしまう。

足音にロック by 奥田徹

あらすじ

 人材派遣会社の営業としてろくに睡眠もとられない激務をこなす34歳の福岡。疲れ切った彼は、コツん、コツん……という「死の足音」をきくようになる。この足音に追いつかれた時に自分は死ぬと彼はおびえる。
 ある仕事帰り、電車で眠り込んだ福岡は財布をすられる。幸い警察に届けられて返って来るが、そこには身に覚えのない大金がつまっていた。謝礼を渡すために彼が出会った財布の拾い主は、非の打ち所のない美女だった。

ばあちゃんのタトゥー by 奥田徹

あらすじ

 夏休みにばあちゃんの家を訪れた私は、洗濯物を干す彼女の腕にタトゥーを見つける。若い頃、不良だった最初の彼氏とおそろいでに入れたが、その後別れたという。さばけた人柄のばあちゃんに高校を辞めたいことを話すと、「良いも悪いも色々だ」と言いながら中退経験者としての感想をきかせてくれる。それで気持ちが晴れた私は、一度断った両親との海水浴に合流するため海辺へ向かった。

たたかうアイカツ!おじさん by 権俵権助(ごんだわら ごんすけ)

あらすじ

 36歳の会社員、権俵権助は少女向けカードゲーム『アイカツ!』を好きになってしまった「アイカツおじさん」だ。世間体を気にしながらゲームコーナーで『アイカツ!』をプレーし、アニメも見るしライブにも出る。『アイカツ!』は生活の一部になっていた。
 だが2016年正月のライブで『アイカツ!』の終了が告知される。権助はショックを受けるが、コンテンツが移り変わる事実を受け入れ『アイカツ!』の最後を見届ける。