積まれた本

ネット小説名作レビュー

長さ: 掌編

(29件)

〜2,000文字

りんごぱんだ by 秋 ひのこ

あらすじ

 忙しい仕事のせいで睡眠不足に悩まされるOLのノエは、パンダが道に座り込んでりんごをかじっているのに出会う。意識がぼんやりしているのは間違いないが、パンダが見えるのはどういうわけか? 寝ても冷めても仕事のことしか考えられないような暮らしを続けていたところ、彼女はパンダから突然りんごをもらう。その次の日、ノエは辞表を提出し、学生の彼氏にも唐突な別れを告げた。

青に染まる by あおいはる

あらすじ

 まよなか、ぼくは青い夢を見る。青い絵の具を溶かした水の中にいて、となりにいる人はがぶがぶお酒をのみ、何かをさけび、うめいている。ぼくは、青い海の底で、青いワンピースをきた女の子と、青いソーダをのんで、ブルーハワイ味のかき氷を、たべている。青に染まる
(一部を作品より引用)

(作品非公開)みにくい羊 by 緋みつ

あらすじ

 あたたかな暗闇の中で、死にたどり着くために、私は羊の数を数える。しかし私の代わりに、柵を乗り越えられない羊たちが真っ黒な血を流して死んでいく。百数えてはふり出しに戻り、また百数えては最初に戻る私に、薄汚れた羊たちが「はやくねむれ」と催促する。

by euReka

あらすじ

 この街に立つ、直径1km、高さ10kmの巨大な塔は今にも倒れそうなぐらい傾き、地面へ向かって弓形になっているので「巨人の釣り竿」とも呼ばれる。塔が倒れた時に下敷になるエリアは住むのに好まれず、以前は貧民街になっていたが、戦後の経済成長によって街が豊かになると住人が減り、その後公園として整備された。塔を眺める観光地となった公園で、私はアイスクリームを売り、隣の屋台の女はビールを商っている。

私の頭も、脳みそごと by 安室凛

あらすじ

 アラサーになって行きつけの飲み屋ができた私は、そこで1人の男と知り合う。ある日、私が食べ終えたアジの開きを見て彼が言った。
その魚の頭、食べてもいい?
 この言葉の持つ強烈なインパクトと親しさにとらわれて、私は甘い気持ちで、そのことを繰り返し思い返すようになった。

友達から聞いた、生まれる前の話。 by おこげ依存症

あらすじ

 床も壁も天上も真っ白に塗り上げられた部屋に5人の人と5つのクローゼットがあり、彼らが同時に1つずつクローゼットを開けると4つは爆発してしまう。残った1人は自分を成功者だと思い込んで空のクローゼットへ入るが、そこは暗くて窮屈な所で、しかも外へ出ることができない。そこで悟る。いずれここからは出られるが元の部屋へは戻れない。出た先にあるのは少し広いだけの牢獄なのだ。

私の白いディオニュソス by 吉岡 幸一

あらすじ

 来館者の少ない山の上の美術館で、私はボランティアの監視員をしている。はじめは物音もしない部屋にじっと坐っているのがつらかったが、そのうち展示室の静かな時間を愛するようになった。しかしある時、学生風の白い青年が現れて私の幸福をかき乱す。彼は何日も美術館に通って絵ではなく私のことをじろじろと見つめ、ついにはほおにふれようと手を伸ばして来た。

ひやかす by 駅員3

あらすじ

「ひやかす」という言葉は、江戸のリサイクル業社が再生紙の材料にする古紙を水で「ひやかし」ている間に、吉原の遊女をからかいに行ったところから生まれたらしい。この職人たちが作っていたのは江戸時代のトイレットペーパーであり、浅草紙と呼ばれたその紙は浅草のりの名前と関係があるとも言われる。

綿の木 by ハインリッヒ富岡

あらすじ

 地面に生える綿の木はある日、自由に海を泳ぐ魚になりたいと思いました。でも魚は犬になって陸地を歩きたいと思っており、犬は鳥に、鳥はライオンに、ライオンは人間になりたいと考えていました。そして人間は思いました。
「あー女子高生のパンツになりてー。」
 綿の木は女子高生のパンツになりました。
(一部を作品より引用)