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退廃革命 by 午前深夜

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あらすじ

 人質を盾にビルにたてこもる男が、現金百万円と逃走用の車輌を警察に要求している。刑事の俺はまず拡声器を使って犯人の説得を試みるが、てんで効き目がない。――埒が明かないな。俺はラジカセのスイッチを入れた。
さあはじめるぜ…刑事(デカ)ダンスの時間だ!
(一部を作品より引用)

レビュー(ネタばれ注意)

 『退廃革命』という何かシリアスな題名がついていると思ったら、デカダンス(=退廃)と刑事(デカ)のダンスをかけた、ただのシャレだった……。という勢いに任せて筆を走らせた感じのショートショート。「革命」が何を表すかは作中にも語られていないが、ひょっとしたらアーケードゲームの『ダンスダンスレボリューション』からとられているのかもしれない(レボリューションは革命を意味する英単語)。真相は闇の中だ。

 女性を人質にとってビルにたてこもる犯人を刑事がダンスで説得する、というのが作品の内容。人質の女がムーンウォークで縦横無尽に歩き回るところがあまりにもおもしろかったので、レビューさせてもらうことにした。
 主役の刑事が自己紹介をしようとしてやめるシーンも好きだ。

おっと自己紹介が遅れたな。俺の名前は…いや、どうせ短編だけの使い捨ての俺に名前なんて大層なモンは必要ねぇな。
俺は、刑事(デカ)だ。それで充分。

 中年刑事の渋い口調と、意表をつくギャグがきれいに合わさった名ぜりふである。なお、どうせ俺は使い捨てと彼は言うが、本作を含む短編集『午前深夜の短編集』の最後のエピソードでも、この刑事は大活躍(と言うほどでもないかもしれないけど)している。

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2つのコメント

午前深夜
2016-09-05 23:36:26

恥ずかしながら、自分の作品名で検索して辿り着きました。 はじめまして午前深夜です。 レビューを書かれるなんて初めてでして、「うっひょぉぉおおー!うききけけぇぇー!!」と狂喜乱舞しながら自作品レビューを読ませていただきました。 もちろん他に書かれているレビューの文章どれも丁寧で、品があって、読みやすく、ユーモアが絶妙で、何作かレビューから作品に飛んで読んでみたら本当に面白くて! kojiさんのセンスの良さに脱帽しました。 そんな素晴らしいレビュー群の中に、僕のような十把一絡げを賑わいの一つとして選んでいただけた事。まさしく嬉しや恥ずかしや誇らしやであります。 本当にありがとうございました。 あ、退廃革命の革命は御慧眼のとおりで御座います。

Koji
2016-09-06 09:38:06

コメントありがとうございます! そんなに喜んでいただけてめっちゃ嬉しいです。 自分の書いたものをほめてもらえたことも嬉しいです。 普通のレビューなんですけど、実は書くのにすごい時間がかかっているんですよ。 今回も、コメントをいただいたのをきっかけに午前深夜さんの作品のレビューを見直してみたら、誤字脱字や言うべきことの書き忘れなどたくさんの間違いを見つけたので、ちょこちょこ訂正しました。 自分の文章を見直すって、つらいね……。 レビューに書いたとおりですが、『魔法少女テトラミノコン』や『退廃革命』、とてもおもしろかったです。 十把一絡げなんてとんでもないことです。 近々午前深夜さんのショートショートをもう1本か2本レビューさせていただくつもりなので、そちらもぜひ読んでみてください。